iPhoneガラス割れを防げると期待されたサファイアガラスが不採用だった理由とは

サファイアガラスとは

サファイアガラスは、宝石のサファイアと基本的には同じ物質です。
違う点としては、純度が挙げられます。
宝石のサファイアの場合は、鉄やクロム、チタンなどの不純物が混じっているため青などの色が付いているのですが、サファイアガラスにはこういった不純物が含まれていないため無色透明でガラスのような見た目になっているのです。
このサファイアガラスの魅力は硬さと強度にあります。
硬さはダイヤモンドにも匹敵するほどで、ナイフやコンクリートブロックで表面を擦ってもキズ1つ付けられませんし、ステンレスと比べると10倍の強度があるとも言われています。
この頑丈さを見込まれ、iPhone6では、従来使われていた化学強化ガラスではなく、サファイアガラスが液晶に採用されるだろうと噂されたこともありました。
しかし、実際には、採用は見送られています。
ガラス割れが原因でiPhone修理をすることになった方の中には、噂通りにサファイアガラスを採用していてくれればガラス割れで困ることもなかったのに、と思った方もいらっしゃったのではないでしょうか。
でも、iPhone6でサファイアガラスが採用されなかったのには、実は、ちゃんとした理由があるのです。

コストや電池寿命に問題あり

まず、理由の1つとしては、コストが高くなることが挙げられるでしょう。
サファイアガラスを利用して液晶を作るには、人工的に純度の高いサファイアを作り出し、そのサファイアの塊を液晶に使えるように薄く切り出す必要があります。
それには化学強化ガラスを使って液晶を作るのに比べて10倍ほどのコストがかかるという説があるのです。
そうしてコストが高くなれば、その分、機器の代金を高くして売り出さざるを得なくなってしまい、利用者にかかる負担が大きくなってしまうと懸念されたのです。
次に、電池寿命が短くなることも理由として挙げられます。
サファイアガラスは見た目はガラスそっくりですが、透明度が若干劣っています。
そのため、化学強化ガラスの液晶と同じだけの画面の明るさをサファイアガラスの液晶で実現するためには、より強い光が必要になるのです。
強い光を放つには多くのエネルギーが必要になりますから、電池の持ちは悪くなります。
それは、携帯機器であるiPhone6には致命的なことでしょう。

肝心の頑丈さにも疑問

それから、サファイアガラスの液晶が事前の評判ほどには頑丈ではなかったことも、採用が見送られた理由の1つとして挙げられます。
前述のように、とても硬いためキズには強かったのですが、しなやかさがない分、落下などの衝撃には逆に弱いことが分かりました。
ですから、サファイアガラスが採用されていたとしても、ガラス割れによるiPhone修理を確実に回避できていたとは限らないのです。